■突如訪ねてきた葬儀屋たち「死体をお引取りします」
思いもよらない心霊写真とはいえ、一目散に逃げ出すボーデンさんを大げさだと捉える人もいるだろう。ただし、実をいえばその日に至る以前から、不気味な予兆は彼女の元へと訪れていたのだ。
ボーデンさんがアパートに入居してまもなくのことだ。彼女が居間でくつろいでいたところ、2人の葬儀屋がドアをノックした。用件を聞いたところ、死体を引き取りにきたという。
「私は自分の住まいに死体などないと伝えましたが、彼らは引き下がりませんでした」(ナターシャ・ボーデンさん)
最終的に、再び訪ねてきた葬儀屋たちはボーデンさんに謝罪して、誤解のきっかけが隣人の死にあると打ち明けた。葬儀屋たちは彼女の住まいと、壁を隔てた隣家とを取り違えていたのである。
「私は(亡くなった)彼と顔を合わせたことはありませんが、長い間病気にかかっていたんだと思います。それが写真の中に見つけた顔と関係があるのかはわかりません。私が悟ったことは、どこか引越し先を見つけなければいけないということだけです」(ナターシャ・ボーデンさん)
ボーデンさんが6カ月間暮らしたアパートは、もはや彼女にとって愛すべき場所ではなくなってしまった。アパートで過ごすことを想像すると耐えられない、と彼女は言う。
「ここへ移ってきた時、誰もいないのに床が軋んでいるのに気がつきました。けれど、それは建物が古いせいだと思っていたんです。いま、私は別の考えを持っています……」(ナターシャ・ボーデンさん)
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(画像=Image by Jim Cooper from Pixabay,『TOCANA』より 引用)