イヌの首輪は、イヌを制御するのに役立つだけでなく、飼い犬であることの目印にもなります。
そんな首輪ですが、たまにスタッズ(金属製の飾りびょう)が付いたものが存在します。
このトゲトゲの首輪は、よく獰猛で強そうなイヌが付けているイメージがありますが、果たしてこのタイプの首輪は何のためにあるのでしょうか。
トゲトゲの首輪の役割や歴史、現在の扱いについて解説します。
目次
- イヌの首輪の歴史
- トゲトゲ首輪は牧羊犬がオオカミから身を守るために生まれた
イヌの首輪の歴史
たまに漫画などでは、鋭いトゲトゲの首輪をつけた犬が描かれていたりします。
日本で見かけることはほとんどありませんが、海外では飼い主たちが、番犬などの屈強なイヌに、スタッズ(金属製の飾りびょう)付きの首輪を装着することもあります。
犬好きの人だと、犬が怪我をしないか心配になるかもしれませんが、こうした首輪はただのデザインではなく、犬のために歴史上実際に利用されていたものなのです。
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では、これら首輪のトゲトゲは、何のためにあったのでしょうか。
まず、首輪の歴史を振り返ってみましょう。
はるか昔から、イヌは人間と共に生活しており、「最も古くに家畜化された動物」だと考えられています。
そして人間は、そんな飼い犬たちを制御するために、首輪を用いてきました。
首輪は古代メソポタミアの時代から存在しており、この時は、イヌの首にシンプルな紐を巻き付けるだけでした。
やがて、首に巻く紐は布製や革製の首輪に置き換えられ、紐や長い棒が取り付けられることになります。
そしてイヌに与えられる役割の多様化と共に、首輪のバリエーションも豊かになっていきました。
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例えば、古代エジプトでは、イヌはエジプト神話に登場する冥界の神「アヌビス」と結び付けられました。