ブロムリー氏は何とか助かりましたが、彼によると、ギンピ・ギンピの葉を「トイレ用」に使用してしまった将校は、その後、痛みのあまり銃で自殺したという話も書いています。
この記述の真偽は謎ですが、ギンピ・ギンピでお尻を拭いたらどうなるかは容易に想像できます。
では、これほど恐ろしい痛みは、どのように生じているのでしょうか。
ギンピ・ギンピの痛みの原因と応急処置
ギンピ・ギンピがもたらす激しい痛みの原因は、長年研究の対象となってきました。
1970年代には、ギンピ・ギンピの神経毒の原因は、「モロイジン」という有機化合物にあると考えられていました。
しかし後の研究では、これだけでは、ギンピ・ギンピ特有の「強烈かつ持続的な痛み」が生じないことが分かります。
そして、クイーンズランド大学(The University of Queensland)の2020年の研究により、ついに痛みの原因が特定されました。
この研究では、ギンピ・ギンピのトゲに含まれる「これまで知られていなかった神経毒ペプチド(アミノ酸の結合)グループ」を割り出すことに成功しており、ギンピタイド(gympietide)と命名されています。
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いくつかの実験の結果、この神経毒は感覚ニューロンのナトリウムチャンネルを恒久的に変化させると判明。
これにより、痛みに関する信号が不安定になり、刺されてから数カ月後、数年後でも不意に痛みを感じるようになります。
ではもし、ギンピ・ギンピに刺されてしまったなら、どのように対処すべきでしょうか。
科学者のヒュー・スペンサー博士は「最も重要なことは、刺された部位をこすらないこと」だと述べています。