守備陣は大きな動きはない。昨季主将を務めDFリーダーでもあった堂鼻起暉が、シーズン途中で同県のJ2いわきFCに引き抜かれても破綻を起こさなかったことで、ある程度計算は立つだろう。

塩浜と大関の穴をどう埋めるか?

問題は昨季16得点の塩浜と昨季8得点の大関の穴を埋める作業だ。福島は伝統的に【4-1-2-3】のフォーメーションを敷きポゼッションを重視しているが、今季もこの戦い方を継続するならば、昨季ボランチ起用が多かったMF宮崎智彦を1列上げ、左サイドハーフに置く可能性もあるだろう。

3トップに関しては、背番号10を背負うMF森晃太を左ウイングに、ベテランの域に達してきたFW樋口寛規をセンターフォワードに置くことは既定路線だろう。塩浜が君臨した右ウイング候補に名前が挙がるのはFW城定幹大、FW清水一雅に加え、新加入の飯島、石井らが激しいポジション争いを繰り広げることになるのだろう。

いずれにせよ、上位リーグへのステップアップが噂された寺田監督の続投が最大の”補強”であることは間違いなく、2年目を迎える今季チームをどうビルディングしていくのか期待したい。

福島ユナイテッド サポーター 写真:Getty Images

胸スポンサーにスポーツX株式会社

また今季、福島にとって大きな動きがあった。実に11年ぶりにユニフォームの胸スポンサーが変更となったのだ。

福島県の第一地銀・東邦銀行が10年の長きにわたりホームスタジアムのネーミングライツも取得していたが、京都に本社を置き関西サッカーリーグ1部「おこしやす京都FC」や、東北リーグ1部「みちのく仙台FC」のオーナー企業でもあるスポーツX株式会社が、2024年同社の代表である小山淳氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)に就任し経営に参画した上で、満を持して胸スポンサーに就いた。

スポーツX株式会社は2009年に創設。「スポーツ×ネット×教育」を軸に、プロスポーツクラブ運営、スポーツ企業への投資・支援を行い、「スポーツを通じて世界中の人々、地域をつなげ、全世界に笑顔の花が咲き誇る幸せな未来をつくる」ことを理念とする異色の企業だ。社員はJリーガーも含む元アスリートが多く、指導者の育成やクラブの経営支援を手掛けるコンサルティング業務と並行し、スクール事業も行っている。