さらに、これらの小惑星は地球だけでなく、月や他の惑星など、周囲の天体からの重力相互作用の影響も受けるため、軌道が時間とともに微妙に変動しやすくなっています。
そのため、追加の観測データが得られると、軌道の不確実性が縮小され、実際に地球と交差する可能性のある軌道部分が明確になり、衝突確率が大きく修正される場合があります。
最初の推定では1%前後だった2032年末の衝突確率が、追加観測データの反映によって2.1%へと上方修正されたことも、こうした不確定要素の反映といえます。
ただし、天文学者たちは「新たな観測や軌道解析によって、今後確率が下がる可能性も大いにある」と強調しています。
ツングースカ規模の衝突と聞くと恐怖を感じるかもしれませんが、2024 YR4の衝突リスクが100%になったわけではなく、私たちには “事前に対策を講じる余裕”があります。
チェリャビンスク隕石のように突然出現した小惑星のほうが、事前警戒や防衛策をとる時間がなく、より危険です。今回のケースでは、2032年までに衝突リスクがほぼ解消されるかもしれませんし、仮にリスクが高まっても、数年単位の準備期間が確保できると期待されています。
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参考文献
NASA Continues to Monitor Orbit of Near-Earth Asteroid 2024 YR4
https://blogs.nasa.gov/planetarydefense/
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部