2024年末、世界中の天文学者たちは新たな地球近傍小惑星(NEO)「2024 YR4」を発見し、その存在が大きな話題となりました。
発見当初は、2032年末にこの小惑星が地球に衝突する確率は約1%と推定されていましたが、継続的な観測によりその数値が精査された結果、最新の解析では衝突確率が2.1%(約48分の1)にまで上昇していることが明らかになりました。
推定されるサイズは直径40~90メートルほどと幅があるものの、NASAは可視光線の反射率を約15.4%と仮定し、直径約54メートル、質量は約2.1×10^8 kgと推定しています。
もし2024 YR4が地球に衝突した場合、約7.6メガトン(Mt)相当のエネルギーを放出すると見積もられており、これは2013年にロシアで発生したチェリャビンスク隕石の約14倍にあたるエネルギーです。
また、この衝突エネルギーは、1908年のツングースカ大爆発を引き起こした天体とほぼ同程度である可能性があるため、専門家や行政機関からも大きな注目を集めています。
情報の詳細はNASAにて発表されました。
目次
- 危険度はトリノスケール3
- なぜ衝突確率が急上昇したのか?
危険度はトリノスケール3
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今回、NASAの惑星防衛調整局(PDCO)が採用するトリノスケールによる評価では、2024 YR4はレベル3と位置付けられています。
トリノスケールは、地球近傍天体が地球に衝突する可能性と、その衝突によって引き起こされる被害の大きさを、0から10までの11段階で示す指標であり、科学者だけでなく一般市民にもリスクの度合いを直感的に伝える目的で開発されました。
この尺度に基づく評価表では、レベル3は「注意が必要だが、現時点では広範囲にわたる混乱を引き起こすほどのリスクはない」と定義されており、衝突した場合でも、巨大な数キロメートル級の天体による地球全体への被害ではなく、主に局所的な被害が懸念されます。