ではこの間、従業員は何を思い続けてきたのでしょうか?「お上のすることはようわからん」。そして車を作るより社内権力闘争、車は値引きすれば売れるから開発競争は二の次となれば優秀な人材から抜けていくのは目に見えています。

一週間ほど前、本件を扱ったブログに日産の「再生可能確率は私は5分5分程度と見ます」と述べました。この5分5分はどこから来たのか、という御意見もあったのですが、歴史から見ると日産が再生できるのは新たなるカリスマ性を持った人物が現れるかどうかにかかっています。一部では関氏復活という話もあります。ただ、関氏がカリスマなのか私はわかりませんが、ニデック(旧 日本電産)の永守重信氏のお目にかなわなかった点は考慮すべきでしょう。

経営の崩壊はあるきっかけで音を立てて崩れていくものです。フジテレビがあんな惨状になるまでほんの1か月程度でした。あの場合は不祥事がきっかけですが、日産の場合、全世界規模のリストラ案を発表し、ホンダとの合併話をぶち上げ、そして破談になり、再びメガトン級のリストラを打ち出す、という流れがこの会社の再生のきっかけになるとは思えないのです。メインバンクであるみずほ銀行が究極の一手を差し伸べることができるかにかかっている気がします。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年2月14日の記事より転載させていただきました。