鳥のガイドと協力して蜂蜜をハントする。
そんなファンタジックな民族がアフリカに実在しています。
アフリカ南東部のモザンビークやタンザニアの蜂蜜ハンターは「ノドグロミツオシエ」という小鳥とコミュニケーションを取りながら、蜂の巣を見つけるのです。
さらに南ア・ケープタウン大学(UCT)の最新研究によると、モザンビークの蜂蜜ハンターは収穫量の実に75%を鳥のガイドによって得ていることが明らかになりました。
彼らはどのような協力関係を築いているのでしょうか?
研究の詳細は2025年2月2日付で科学雑誌『Ecosystem Services』に掲載されています。
目次
- 鳥と協力関係を築き上げた蜂蜜ハンター族
- 収穫量の4分の3が鳥のガイドによるものと判明
鳥と協力関係を築き上げた蜂蜜ハンター族
モザンビーク北部のニアサ地域では古くから蜂蜜が食されてきました。
特に干ばつなどで作物の栽培が難しくなる年には、栄養豊富な食料源として大切にされています。
その中で、野生のミツバチの巣を探し出して蜂蜜を収穫するハンター集団が形成され、伝統的なハチミツ採集文化が発展してきたのです。
しかしながら、広大な森の中で蜂の巣を見つけるのは容易なことではありません。
蜂の巣は木の奥深くに隠されていることもあるため、自力で見つけるのは至難の業なのです。
ところが地元の蜂蜜ハンターたちは長年の経験から、ノドグロミツオシエ(学名:Indicator indicator、英語では「ハニーガイド」と呼ばれる)という小鳥が蜂蜜を好んで食べること、それから蜂の巣を見つけるのに優れていることを学びました。
そして蜂蜜ハンターたちは次第に、この鳥たちを追跡して、蜂の巣を効率的に見つけ出す手法を洗練させ始めます。

さらに驚くべきは、ノドグロミツオシエの方も人間と協力することにメリットがあることに気づき、蜂蜜ハンターたちと積極的にコミュニケーションを取り始めたことでした。