たとえば同じ会社で同じ業務を続けるだけでは、昇給しなくても何ら不思議ではない。すでに述べたように毎年同じ仕事をする現状維持では、米国でも…いやむしろ成果主義に厳しい米国だからこそ、評価されることはない。

確かに仕事の経験を積めば手順は熟練して生産性は高まるが、それを言い出すなら入社直後、手が遅いことについて会社は人材への行投資として寛容に待ってくれていたのでは?とも言えてしまう。

また、「人手不足で残業時間が長くなって頑張っているのに評価されない」、という意見についても、論理的に昇給する理由にはなりづらい。本人はプライベート時間を犠牲にして努力しているのは間違いないが、会社はその分、割増賃金としてすでにリターンを出しているからだ。

長時間労働でスキルアップの余地もないので昇給が望めない、という人は労働集約的でなく頭脳集約型の仕事についてスキルアップを通じた待遇アップを目指すことを勧めたい。ただ、この道は結果を出せなければ厳しい評価が下されてしまうのだが。

 

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