あなたの周りにも、会話のテンポが独特だったり、細部にこだわる割に大事なことはすぐに忘れてしまう人はいませんか?
こうした性質は、「大人の発達障害」として知られており、基本的には社会生活においてネガティブな要因と捉えられています。
実際、発達障害(ASD、ADHD、LDなど)を持つ大人は、社会の中で「生きづらさ」を感じることが多いと言われています。
しかし、それは本当に「彼らの問題」なのでしょうか? 社会の在り方が、彼らの能力を活かしきれていないだけではないでしょうか?
近年、こうした特性を「弱点」ではなく「個性」として捉え、活かすべき資質であるという考えが広がっています。これを「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」と呼び、多くの企業や社会が注目しています。
目次
- 大人の発達障害とは?
- 発達障害の強みを活用する社会「ニューロダイバーシティ」
大人の発達障害とは?
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発達障害は、幼少期に診断されることが多いものの、大人になってから発覚するケースも増えています。
特に、子どもの頃には単なる「性格の個性」と見なされていた特性が、社会生活や職場環境において適応の困難さを通じて明らかになることが多いのです。
ここには主に次のような要素があります。
ASD(自閉スペクトラム症):ここに当てはまる人は、論理的思考や細部へのこだわりが強い一方、対人関係やチームワークが苦手とされる。
ADHD(注意欠如・多動症):ここに当てはまる人は、創造性や瞬発力に優れる反面、集中が続かない、時間管理が苦手といった課題があります。
LD(学習障害):ここに当てはまる人は、読み書きや計算が困難な場合があるものの、空間認識力や直感的な問題解決能力に優れるとされる。
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こうした発達障害は、「障害」と呼ばれているようにネガティブな要因として捉えられる場合が多くなっています。