昨季の両センターバックを失ったことから、早々に守備陣の再構築を図れるかがシーズンを通しての浮沈を大きく左右するだろう。とはいえ新加入選手を含め攻撃力は高く若さも相まって、勢いに乗ればそのまま上位へと進みそうな点は昨季のいわきFCを彷彿とさせる。まずは開幕からの数試合、大崩れすることなく過ごせるか注目したい。


RB大宮アルディージャ 写真:Getty Images

RB大宮アルディージャ

2024シーズン:J3リーグ1位(25勝10分3敗)

昨季はクラブ史上初めてJ3リーグを戦い、見事優勝でJ2復帰を果たしたRB大宮アルディージャ。もはやダークホースと呼べるチームではないのだろうが、J2復帰初年度で即J1昇格ともなれば十分に快挙と言えようことからここで紹介する。今冬は、昨季期限付きで加入し昇格と優勝の立役者となったFW杉本健勇とMF泉柊椰が完全移籍へ移行してチームに残留。その他の選手を見ても主力の流出はほとんどなく、J3優勝の勢いを継続させる意味でも注目された選手たちの流出阻止に成功したと言えよう。

その上で、新戦力には頼もしい選手たちを多数迎えた。DFガブリエウとFWカプリーニはいずれも昨季横浜FCの主力としてJ1昇格に貢献。ガブリエウは空中戦で、カプリーニは推進力で多くの見せ場を作れる。J2という同じカテゴリーであれば再現性も高いだけに活躍を大いに期待したい。また、京都サンガからはFW豊川雄太とMF谷内田哲平を獲得。豊川は2023シーズンにJ1で二桁ゴールをマークしており、経験値も含め新たな得点源として心強い。谷内田は昨季途中に韓国Kリーグ2のFC安養へ移籍して経験を積んでおり、その卓越した技術の成長が今から楽しみだ。

一昨年のJ3降格を大宮で経験した選手も多くおり、悔しさをバネに1年でチームをJ2まで引き上げたことを踏まえるとメンタル面では寧ろプラスに働くだろう要素もある。各ポジションに期待できる選手も加え、一気にJ1まで駆け上がることができるのか。大宮の新たな挑戦に期待したい。