特に注目なのは攻撃陣の新加入組だ。昨季栃木SCへ加入し2ゴール4アシストと活躍したMF奥田晃也が4年ぶりに復帰。得点だけでなくチャンスメイクも可能な選手が戻ってきた。そして、作ったチャンスを決めきる選手としてはMF津久井匠海やFW渡邉新太を獲得。両名ともに昨季はそれぞれの所属クラブにおいてチームで2番目となる得点を挙げており、重要な得点源として存在感を発揮していたことから即戦力として期待できる。また、昨季は特別指定選手として15試合に出場しゴールも挙げたMF山本隼大をはじめとするルーキーの活躍にも大いに注目したい。昨季も大卒ルーキーとして加入したDF牛澤健やFW久保征一郎といった選手たちが早速多くの出場機会を得て活躍したように、水戸にとっては若手の成長こそがまさに生命線。ルーキーとはいえ早々に既存戦力との融合とさらなるレベルアップが求められるのは間違いない。
昨季の後半戦では、昇格を決めた3クラブ(清水エスパルス、横浜FC、ファジアーノ岡山)や3位の長崎を苦しめながら、下位勢から白星を挙げて勝ち点を積み重ねた水戸。今季は前半戦から同様の戦いができれば、例年以上に混戦が予想される上位争いに食い込める可能性は十分ある。そのためにも序盤戦で新戦力のフィット感と今季のルーキー含め主軸となる若手がいかに成長できるかがカギとなる。

愛媛FC
2024シーズン:J2リーグ17位(10勝10分18敗)
2023シーズンにJ3で優勝を果たし、昨季は3年ぶりにJ2へ復帰した愛媛FC。シーズン前半戦は引き分けも多いなか勝ち点を積み上げ10位で折り返したが、後半戦に入ると大量失点するゲームが増えるなど苦戦し最後は5連敗を含む11戦未勝利のままシーズンを終えた。
立て直しを図りたい愛媛は、この冬守備陣で昨季センターバックの主力であったDF小川大空とDF森下怜哉が流出したものの楽しみな選手を多数獲得している。特に注目なのが攻撃陣。なかでもFW佐藤亮は、2023シーズンにJ3のギラヴァンツ北九州からザスパ群馬に加入するとJ2全試合に出場し6ゴール9アシストをマーク。大暴れして群馬の躍進に貢献しており、愛媛にも同様の効果をもたらすことが十分期待できる。また、その他の新加入選手を見ると若手の有望株が多数。MF甲田英將やFW村上悠緋といった選手たちを期限付きで獲得し、さらにタイ代表のMFエカニット・パンヤも補強するなど昨季の後半戦ではやや伸び悩んだ得点力にテコ入れを図る動きが見られた。