「有名人が電撃結婚!お相手は一般人」なんてニュースの見出しを見ると、「もしかして自分にも可能性があるかも」と妄想を膨らませてしまうものです。

最近では、50代のフランス人女性が俳優ブラッド・ピット氏になりすましたロマンス詐欺に遭い、大きな話題を呼びました。

「そんな馬鹿な」と感じる人もいるかもしれません。

では、なぜこの女性はロマンス詐欺に引っかかってしまったのでしょうか?

ケベック大学モントリオール校(UQÀM)の心理学者アニー・ルコンプ氏が、心理学の観点からその理由を解説します。

目次

  • 偽ブラッド・ピットによる詐欺事件
  • なぜ人はロマンス詐欺に遭ってしまうのか?
  • ロマンス詐欺を見抜け!隠された傾向とは?

偽ブラッド・ピットによる詐欺事件

事件は2023年2月、アンヌさんがインスタグラムをダウンロードしたことから始まりました。

すぐに「ブラッド・ピットの母親」を名乗る人物から連絡を受け、「(ピットさんが)あなたのような女性を必要としている」と言われたのです。

続けて、「ブラッド・ピット」を名乗る人物がコンタクトしてきました。

アンヌさんは警戒しましたが、SNSに慣れていなかったため、何が起きているのか正確に理解できませんでした。

当然ながら、このブラッド・ピッドを名乗る人物は詐欺師であり、画像生成AIを使って、自分をピット氏に見せかけていました。

そして何度もやり取りを続けるうちに、アンヌさんは相手を本物のブラッド・ピット氏だと信じるようになりました。

アンヌさんは「彼を疑うたびに、彼は私の疑念を払拭してくれた」と語っています。

詐欺師は、アンヌさんがが疑うと、2人が特別な関係にあることを報じる偽のニュース番組や、偽のAI動画を作成して、彼女を信じ込ませようとしてきたのです。