終身雇用という発想がなくなってきた現在、企業は従業員により実務的なハイレベルの教育にシフトしていき、中途採用が増える中で入社〇年目の研修という形に変わっていっていると認識しています。とすれば、大学生が企業に入社する時にはある程度基礎力と社会人としての常識をもった人材に仕上がっている必要があるはずです。
ところが学生によってはバイトに明け暮れる人もいます。私もバイトは良くした方です。私は海外に行くための渡航費用稼ぎという明白な目的がありましたが、生活費と共に遊び代稼ぎやショッピング代稼ぎというのが学生バイトのほぼ主流だったと思います。
その後、何の疑いもないままカナダに来た時に「あれー?」というギャップを感じたのです。学生バイトをする人は極めて少ないのであります。理由はそんな時間はない、勉学が大変で図書館に籠るという訳です。こちらに留学している日本人学生さんともよく話をしますが、「ついていくのが大変」という話はごく当たり前でそれが言語的なギャップというより濃密な授業内容と予習復習、頻繁にあるテストに追われているという感じです。
カナダでは外国人学生が学校に行きながらアルバイトをする際、査証により一定の労働が許されます。生活費の一部という発想だと思います。その枠組みは週に20時間までです。それ以上働くのは学生が学生の本分である勉強とはかけ離れると解釈されています。
ではこの20時間を日本に当てはめたらどうなるか試算をすると時給1,100円で月80時間働くと年間で1,056,000円です。つまり103万円の壁にほぼドンピシャで合致するのです。ちなみに日本に来る学生は原則就労できません。ただし、「資格外活動の許可」をもらっている場合に限り週28時間まで可能になっています。これだと年間150万円です。
たしかこの話題が出た時、一部から「学生は学ぶことだろう。本末転倒ではないか」という意見が出たのを記憶しています。本質的にはその方の主張は正しいと私は思います。