ドイツでは2022年にロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機が迫っているにもかかわらず、SPDと「緑の党」は原発操業の延長には強く反対する一方、産業界を支持基盤とする自由民主党(FDP)は3基の原発の23年以降の操業を主張し、3党の間で熾烈な議論が続けられてきたが、最終的に2023年4月15日、最後の原子力発電所が停止された。 70%以上がロシア産エネルギーに依存してきたドイツの産業界は脱原発、再生可能なエネルギーへの転換を強いられ、ショルツ政権が推進するグリーン政策に伴うコストアップと競争力の低下に悩まされてきた。

参考までに、ドイツと同じように脱原発政策を推進してきたのはスイスだ。同国では2011年の福島事故後、2017年の国民投票で原子力廃止が決定された。既存の原発は安全である限り稼働を続けるが、新設は禁じられている。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年1月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。