尹大統領が拘束され、今後、逮捕されるのか注目されます。同国では戦後延々と同様の問題を起こしてきたのですが、問題の根源は韓国が大統領制であることだと私は断じてもよいと思います。もしも政党政治で首相を選ぶ方式であれば退任後、牢屋に入れられるという悲劇はより少なかっただろうと思うのです。なぜ大統領制が韓国にふさわしくないのか、といえばアメリカのように確立された保守派がいないのです。財閥に対する風当たりが強いこともあるでしょう。
また就職において財閥系の企業に入れなければ海外に出稼ぎに出る、あるいは移民するという傾向はいまだに強いのです。社会の制度が国内在住では高齢者になったら日本ほど安心安全が担保されていないこともあります。若いうちに将来を見据えた勝ち抜き合戦をすることになり、国内では少ないパイの奪い合いが起きるのです。そしてできる人間は海外に出るのです。カナダでNo2のTDバンクの今のCEOは韓国からの30数年前に移民した方です。そういう優秀な人が世界で活躍しているのに国内では統一感も一体感もないのです。
では韓国の国民は本心で尹大統領は裁くべきと考えるのでしょうか?私はあの時から確実に状況は変わったとみており、今では政党支持率は保守派がリベラルを超える状態になっています。戒厳令は大げさだったと思いますが、国内政治が停滞し、足の引っ張り合いで法律が生まれず、国内改革が進まないことに尹大統領は業を煮やしたわけです。やり方はまずかったと思いますが、相当の切迫感があったことも事実。とすればそれは国民と共有して考えるべき課題であり、裁く話ではないと私は思います。
後記 カナダで建設がらみの仕事を33年もやっているわけですが、最近、嫌になるのは業者のアポが取れない、作業日程が決まらない、挙句の果てにドタキャンをされるのです。どんな仕事でもコーディネーションが伴うため、ある作業をするには3つも4つも事前にアレンジした上で作業が進むのです。一方、業者の方もぼやきが多く、他の現場で足を引っ張れられて余計な仕事をさせられたりやり直しがあり、工程が読めないのだと。なるほど、管理が全然できない、これが今のカナダの建築現場の実態なのね、と思うと私も次の開発事業、やるのが嫌だなぁ、と気が重くなるのが今日この頃であります。私は羊飼いならぬ業者使いじゃないですから。