程度の差こそあれ、これらは全て女性スキャンダルであり、山川に至っては性犯罪だ。福田の件に比べて、プロ野球界はなぜこれほどまでに甘いのだろうか。

出版社とプロ野球球団の関係
メディアは「報道の自由」を免罪符とし、有名人のスキャンダルを暴いている。その賛否は別として、そこには「報じる自由」と同様に「報じない自由」も含まれている。どういう意味か。
例えば西武ライオンズと小学館の関係は深い。数多くのコラボイベントを開催し、小学館の人気漫画雑誌『コロコロコミック』とのコラボポスターなどが製作された上、2012年には女性向けファッション誌『Domani』に栗山巧外野手と片岡易之内野手(当時)がモデルとして登場した。
仮にその時点で小学館発行の『週刊ポスト』や『女性セブン』の記者が西武ナインのスキャンダルを掴んでいたとしても、共にビジネスパートナーであることから、記事化にはストップがかかっていただろう。出版社とて一営利企業だ。利害関係のあるステークホルダーも存在する。関係を維持することが、一選手の私生活を暴くことよりも優先されるのは企業の論理からすれば当然である。
なにもJリーガーがプロ野球選手のように、スキャンダルから守られるべきだと言っているわけでない。そもそも侍ジャパン(野球日本代表)クラスでも不貞行為をはたらく選手がゴロゴロいることは異常なのだ。
さらに言えば、プロ野球球団は不祥事を起こした選手が報道によって危うい立場に立たされれば、「出入り禁止(取材拒否)」という強硬手段に打って出ることもある。これは総合スポーツ誌『Sports Graphic Number』を発行している文藝春秋や、『Sportiva』を発行している集英社、数々のスポーツ書籍を発行している小学館などに対しては効果的な対処法となっている。
