10年ぶりのGalaxy取り扱い再開、ソフトバンクの背景と狙い
なぜ、ソフトバンクはこのタイミングで10年ぶりにGalaxy端末を取り扱うことになったのか。同社は次のように説明する。
「『世界で最もAIを活用するグループになる』というSBのビジョンと、モバイル市場でAIをリードするSamsungのAIを推進して行くという両社の思いが一致したため」
実際、ソフトバンクグループはAI領域に莫大な投資を行っている。直近では「ChatGPT」を開発するOpenAIと共同で新会社「SB OpenAI Japan」を設立すると発表。また、高い精度を持つAI検索サービス「Perplexity(パープレキシティ)」と提携して、ソフトバンクユーザー向けにPerplexity Proを1年間0円で提供するなど、AIとの親和性を高める施策を積極的に進めている。
こうした動きが示すのは、単に「端末を売りたい」のではなく、最新のAI機能をユーザーに「まずは体感してもらう」ための環境を整備したいという狙いだ。ハイエンドスマホを破格の費用感で提供し、それを使ってもらうことで「ソフトバンク×AI」という図式を急速に浸透させる狙いがあると言えるだろう。
もちろん、Galaxyの人気にあやかりたいという思惑もあるだろう。GalaxyはAndroidスマホではトップクラスに人気のシリーズ。競合他社は取り扱っているので、GalaxyユーザーやSamsungファンを取りこぼしてしまう機会損失になってしまう。
グループを挙げてAIのビジネスや活用に乗り出しているソフトバンクとしては、AI時代の到来を見据え、最新機種を実質格安で普及させることで「AI活用を当たり前にしたい」という狙いがあるはずだ。その点においてGalaxy S25は、多くのユーザーにとって「AIの入口」としてピッタリではないだろうか。