蓄積したデータ、即断即決できる体制が強み

――貴社は、「三ツ星ファーム」のほかにもトータルセルフケアブランド「AKNIR」や、スニーカーを主軸としたECサイト「SNEAK ONLINE SHOP」など幅広いジャンルに展開しています。どのような発想で新たな事業を生んでいるのでしょうか?

 データドリブンな経営を重視し、社内のデータサイエンティストの分析に基づいて事業を推進しています。

 当社では、自社のEC事業、企業向けコンサルティング、マーケティング支援を通じて、かなりの量のデータを蓄積しているんです。そのため、注目を集めているマーケット、売れ筋商品、効果的な広告メッセージといった市場のトレンドをリアルタイムで把握できています。

 たしかに、データ量では当社を上回る大手企業も存在します。しかし、当社では経営陣全員が日々データを詳細にチェックしているため、市場の変化に即応した意思決定と実行を実現できるのが強みです。

――大企業では、柔軟な判断が難しいケースも見られますよね。

 私も大企業出身ですが、大企業では既存事業とのカニバリ等で意思決定が難しいことも多いです。当社は撤退基準も明確にしKPI管理を徹底することで意思決定スピードを上げています。

 さらに、当社の経営陣が各成長フェーズに応じて入れ替わっていることも、判断の迅速化につながっていますね。実はベンチャー企業でも創業メンバーは外せないなどで意思決定が遅くなっているケースも多いです。当社ではプロスポーツチームのように、各フェーズに最適な布陣を組んで経営を行っています。