自陣からのパスワークが冴え渡り、終始千葉を圧倒した柏。キャンプインからわずか1か月でなぜここまでの完成度を築けたのか。それは今冬加入した選手たちの存在が大きいのかもしれない。MF小泉や後半から投入されたMF渡井理己ら“リカルドサッカー”を熟知するプレーヤーのほか、スタメンに名を連ねた新加入選手の戦術理解度の高さが際立った試合だった。味方同士の連携やパスワーク、前線の選手の動き出し、ハイプレス、サイドの幅を存分に使うなど、すでにリカルドサッカーが完成しつつあるのには驚かされた。

柏レイソル 写真提供:GettyImages

スタメン組とのクオリティ差

一方で、後半には課題も見つかった。70分にMF島村拓弥、MF白井永地、MF渡井理己、DFジエゴ、FW垣田裕暉を一気に投入した柏。以降、前半と比べ攻撃は停滞気味だった。FW垣田が相手の最終ラインと駆け引きする動き出しやボールキープ力を見せつける良い場面もあったが、安易なボールロストからあわや大ピンチを招きそうな場面や、味方同士でパスのズレが目立つシーンも。控えの選手達は戦術理解度や連携力を高めることが急務であり、この問題点解消がチーム力の底上げに繋がるだろう。


ジェフユナイテッド千葉 写真:Getty Images

課題が山積みの千葉

一方0-3で完敗した千葉は、試合を通じて相手の前線のプレーヤーに簡単に前を向かせてしまう場面や、自陣ゴール前で相手をフリーにさせてしまうシーンのほか、寄せの甘さなど守備面における緩さが目立った。なかでも気になったのが2点目を奪われたシーン。千葉の自陣ペナルティエリア外で献上した柏のフリーキック、素早いリスタートで相手に完全フリー状態でパスを握られてしまい、そのままあっさり得点を許してしまう。技術云々の問題ではないため少し残念なシーンだった。2月15日に迫った明治安田J2リーグ開幕戦までに小林慶行監督がどう立て直すのか注目だ。


田中和樹 写真:Getty Images

田中、デリキ、吉田らが奮闘