ハイレベルのマイルドハイブリッド・システム制御

ハイブリッドシステムでは、バッテリーのSoC(充電率)が50~60%の状態が最も効率的とされている。。このMHEV plusハイブリッドシステムの目的は、電動走行距離ではなく、バッテリーを素早く放電・充電するサイクルにある。これにより、可能な限り多くのエネルギーを回収し、迅速かつ効率的に、駆動用として再利用することが狙いなのだ。

アウディA5 Q5に新しいマイルドハイブリッドシステムを搭載
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

システムの稼働制御は、選択されたモードやアクセルペダルの操作量をセンシングし、例えば、「D」モードでは、PTGによる最大18kWの追加出力が、アクセルペダルの約80%以上、またはキックダウン時にのみで発生する。一方、走行モード「S」では、アクセルペダルの踏み込み量が少ない段階から18kWの追加出力を利用可能だ。

アウディA5 Q5に新しいマイルドハイブリッドシステムを搭載
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

Dモードでは、高速道路や郊外の道路を内燃エンジンで一定速度で走行する際に、85km/h以上でPTGを切り離すことができる。しかしSモードでは、最大許容回転数が5550rpmに達するまで、PTGは常に接続された状態を維持する。そして市街地に近づくと、完全にEV走行が可能で、PTGを活用して速度を維持する。

内燃エンジンはBASとPTGを組み合わせて、必要に応じてSoCを上げる、すなわち充電することができる。ただし、渋滞時の低速走行または駐車の場合など、EV走行の際には該当せず、ターゲットSoCよりはるかに低い状態でも維持される。

一方、SoCがターゲットSoCを超えている状態では、内燃エンジンはより遅れて始動する。より多くの出力が要求されるタイミングで始動し、48VバッテリーがターゲットSoCレベルまで意図的に放電し、エネルギー回収フェーズで十分なエネルギーを吸収できる状態を確保。つまり速度が上がるほど、内燃エンジンで走行する割合が増加するわけだ。

ガソリン、ディーゼルにかかわらず、パワートレインの効率向上によって車両の全体的な航続距離が大きく改善されることはいうまでもない。

提供・AUTO PROVE

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