トランプ一期目の2017年年初もそんな感じだったが、ここまでは「金利低下、ドル安、S&P 500はオルカンをアンダーパフォーム、ビットコインは横ばい」と、トランプ政権を表現するコンセンサス・トレードはことごとくワークしていない。

DBの統合ポジショニングは12月FOMCで落としたところから復元している。

珍しいBofAのCTAモデル。やはり12月FOMCで一旦振り落とされた後に徐々にポジションを復元している。

機関投資家が身動きを取れない状態から降りるか降りないかというところで、アニマルスピリッツを発揮しているのは個人投資家である。Deepseekショックと関税ショックが作った窓は共に押し目買いによって押し戻されたが、下値での買い圧力の主体は明らかに個人である。

BloombergはこれをUnstoppable Retail Crowdと表現した。CNBCもRetai traders just can’t stop buying stocksと表現する。個人投資家の活発化はその流行りが分からない市場参加者にとって取り組みづらい時間帯であり、前回の記事でも触れたように、彼らは低くもないコストで大きなリスクを取っているので振り落としに遭いそうとすぐ心配になってしまうのだが、2021年のARKブームや2023年の0DTEブームでも個人投資家のアクティビティが活発化→クラッシュとなったわけではない。

ここ2週間に限っても個人投資家が大きなギャップダウンを押し戻し、いわば偽装横ばいを作ったことで日次ベースでリアライズドVolが上昇せず、CTAをはじめとする機械の逆流を防いだのは明らかである。代わりに個人投資家がYOLOしているミーム銘柄の急上昇を羨ましがって指数でも積極的にリスクを取ろうとすると途端に上値の重さに押しつぶされてしまう。

昨日今日の話ではないが、個別銘柄のレバETFの隆盛も際立っている。これらのファンドは個別銘柄が1日で大きく上昇した場合にレバレッジ調整の買い増し、大きく下落した場合にポジション削減を行いやすいと思われる。