参加者がどれだけの加工赤身肉を食べたかを評価し、それぞれの摂取習慣を「低レベル(1日あたり約8.5g以下)」「中レベル(1日あたり約8.5g〜20g)」「高レベル(1日あたり約21g以上)」に分類しました。

それから調査開始時点で認知症を発症していなかった人々のその後の認知症発症率を比較し、。認知機能の評価には記憶力や言語能力などのテストを実施しています。

その結果、加工赤身肉の摂取量が多い「高レベル」の参加者は「低レベル」の参加者に比べて、認知症リスクが13%増加することが判明しました。

また記憶力や言語能力の加齢が加速していることも明らかになり、加工赤身肉を食べすぎることで認知機能の低下スピードが早まることが示されたのです。

加工赤身肉には脂肪分や塩分、有害な化学物質が多分に含まれており、これが脳の炎症を起こすることで認知機能の低下を加速したと考えられます。

加工赤身肉を「ある食品」に変えると脳を守れる

では、加工赤身肉を食べるのを控えることで、脳の健康を守ることができるのでしょうか?

研究によると、加工赤身肉を同じ量のナッツや豆類などの植物性たんぱく質に置き換えることで、加工赤身肉を食べていた人と比べて、認知症リスクを19%低下させられる可能性があることが分かりました。

また認知機能の加齢スピードが抑えられることも示されています。

このことから研究者たちは「加工赤身肉を完全にやめる必要はないが、特に加工されたものを減らし、代わりに植物性食品を取り入れることが、認知症予防につながる可能性がある」と指摘しています。

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Credit: canva

今回の研究により、加工赤身肉を過剰に摂取することが認知機能の低下や認知症リスクの上昇と関連していることが明らかになりました。

「毎日の食事の積み重ねが、未来の自分の健康を左右する」と考えると、普段の食生活を見直す良い機会かもしれません。