この研究では、それらマウスにおいて、脂肪細胞の大きさ、インスリンの働き方の変化、脂肪の分解や燃焼の具合を調査しています。
体内時計の乱れがマウスを太りやすくしていた!メカニズムを解明
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観察の結果、体内時計が乱れたマウスでは、脂肪細胞が通常の2倍ほど大きくなることが分かりました。
また、このマウスでは、脂肪細胞のインスリン感受性が高く、脂肪をどんどんため込んでしまう ことも確認されました。
インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、同時に脂肪を蓄える働きも持っています。
そのためインスリン感受性が高いと、脂肪細胞が血液中の糖を通常よりも多く取り込み、脂肪として蓄えるため、脂肪細胞が大きくなってしまうのです。
さらに、インスリンは脂肪の分解を抑える作用もあるため、余分な脂肪が燃焼されにくくなり、これも体脂肪の増加に繋がります。
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では、どうして体内時計が乱れたマウスではインスリン感受性が高くなっていたのでしょうか。
研究チームが調べたところ、このマウスでは、脂肪細胞から「FGF21」というインスリン感受性を高めるホルモンが大量に分泌されていることも分かりました。
「FGF21」の増加が、インスリン感受性の増加に関わっていたのです。
そうなると次に気になるのは、「FGF21」と不規則な生活との関係性です。
研究チームがこの点も調査したところ、FGF21の量は、体内時計によってコントロールされており、体内時計の機能が低下することでFGF21が増加すると分かりました。