「夜遅くまで起きていると太る」とよく言われます。でも、それは本当に科学的に証明されたことなのでしょうか。
日本大学の榛葉繁紀氏ら研究チームが、不規則な生活が脂肪をため込みやすくする仕組みを解明しました。
この研究では、体のリズムを調整する「体内時計」が、脂肪細胞の働きにどのような影響を与えるかを詳しく調べています。
その結果、体内時計が乱れると、脂肪細胞のインスリン感受性が強くなりすぎて、脂肪がたまりやすくなることが分かったのです。
この発見は、夜型生活を送る人が太るメカニズムを説明するものであり、将来的には肥満の予防や治療につながるかもしれません。
研究の詳細は、2025年2月3日付の『npj Biological Timing and Sleep』誌に掲載されました。
目次
- 「夜更かし」「不規則な生活」で太るのはなぜ?
- 体内時計の乱れがマウスを太りやすくしていた!メカニズムを解明
「夜更かし」「不規則な生活」で太るのはなぜ?
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「不規則な生活をしていると太る」とよく言われます。
そしてこれは、体の仕組みと関係していることが分かっています。
私たちの体には「体内時計」と呼ばれるリズムがあり、これは睡眠だけでなく、ホルモンの分泌やエネルギーの使い方にも影響を与えます。
しかし、夜更かしを続けると、この正しいリズムが崩れ、エネルギーの使い方が変わってしまいます。
これまでの研究でも、夜型の生活を送る人は肥満や糖尿病のリスクが高いことが報告されています。
でも、なぜ体内時計が乱れると太るのか、その詳しい仕組みは分かっていませんでした。
そこで、日本大学の研究チームは、体内時計が脂肪細胞にどんな影響を与えるのか を詳しく調べることにしました。
彼らは、脂肪細胞の体内時計が働かなくなったマウス を作り、普通のマウスと比べました。