著者の川端さんは1990年代からずっとそれら絶滅した動物たちをルポ的に追跡しているそうです。本書の最後に登場するヨウスコウカワイルカ(バイジー)に関しては、絶滅宣言の前後の状況も詳しく、臨場感あふれた記述で、状況が手に取るように感じられました。

僕は大学時代からずっと工学の勉強をしてエンジニアとして、そして今は大学でアカデミックとして生計を立てています。高校時代は新聞部、大学時代は探検部の活動を通じて、川端さんのような自然科学の分野のルポライターになりたかったことを思い出しながらの読書、随分楽しめました。

ネタバレになるのを避けるため、詳しくは書きませんが、読書の途中、ところどころでXで以下のように呟きました。

【ステラーカイギュウ】 我慢できずにステラーカイギュウの章を読みました。ラッコ→ウニ→昆布→ステラーカイギュウの生態系の繊細さに驚きました。科学の進歩で昔に絶滅した動物の詳細がドンドン解明されていく様は、昔から知られている錫の研究を今やっている僕の考えにも通じるものがあり、早速感動しているところです。

【フクロオオカミ(タスマニアタイガー)】 タスマニアタイガーの章の文献11報を思わず大学図書館経由でダウンロードして、今読んでます。捕食の習性からしたらオオカミ(犬)ではなくタイガー(猫)に近いらしいが、むしろフォックス(狐)の方が近いような。。。