石破首相との会談を経ての記者会見。心の中で今回の記者会見のハイライトは日本製鉄とUSスチールの話になるのではと思い始めたのは前日にトランプ氏がUSスチールのCEOと会談したためです。バイデン政権を訴訟するという日本企業しては前代未聞の行動に及んだことがトランプ氏の心を何らかの形で動かしたのでしょうか?トランプ氏はそれを利用してイシバに貸しを作ることもあったかもしれません。
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2025-02-石破首相とトランプ大統領 ホワイトハウスxより
トランプ氏は日本製鉄のトップと来週会合すると述べています。橋本会長の出番でしょう。今回の共同記者会見でトランプ氏は日鉄は買収ではなく、USスチールに投資をするのだ、と結論付けています。そして「mediate and arbitrate(調停し仲介する)」とのべ、詳細の説明は避けています。思うにUSスチールは金がない、日鉄の技術も欲しい、それを満足させるためにUSスチールの新株を日鉄が買い、更に技術提供に関する協定なり契約を結ぶという形になるのではないかと推測しています。
もしもこの条件を橋本会長が飲まされるならおいしくないかもしれません。株式市場でもUSスチール株がこの報を受けて5%以上急落しましたが、ありえるのは株式希薄化。ただライバルのクリフスの株価も5%以上急落したのはクリフスによる買収の可能性がさらに遠のいたということ。ではこのディールで勝者誰だったでしょうか?私のランクは勝ちの順にトランプ、USスチール、石破、日本製鉄、クリフス、鉄鋼組合とみています。私はトランプ氏をあまり褒めないですが、これはフェアな意味でスマッシュヒットだったと思います。
参議院選で何が起きる?夏の参議院選の話を半年近く前の今からするのかね、と思われるでしょう。が、私にはどうも国会論戦も含め誰も満足していないように見えるのです。「妥協の産物」、これが今の国会の姿です。妥協では明白なポリシーを貫き通せないわけで施策が中庸になるということです。一見、誰でも満足するにはそうするしかないだろう、という意見もあると思いますが、日本が真綿で首を絞められている状態の中でいかにも目先の延命策にこだわりすぎていると思うのです。もっと大所高所の「べき論」があってしかるべきですがそのような話は打ち消され、議員は「日々のお勤め」に徹しているのです。