その後、1973年に再び別の場所へと移送されましたが、次第に施設での維持管理が困難になります。
そこでジェームズの息子であるノーマン・ベッドフォードが1982年に父の人体を引き取り、南カリフォルニアの家族のもとで冷凍保存を続けました。
しかし最終的に、アルコー延命財団(Alcor Life Extension Foundation)が1991年にジェームズの管理を受け入れると申し出て、現在まで至っています。
ジェームズは冷凍保存から約60年が経過した今も復活の時を待っていますが、冷凍保存の専門家によれば「ジェームズの復活は難しい」と考えられています。
というのも当時の冷凍保存技術はまだ原始的なものであり、もし解凍したとしても、ジェームズの細胞を傷つけずに蘇生するのはほぼ不可能と見られるからです。
人体冷凍保存はジェームズが眠りについた後に急速に発展していき、細胞を傷つけることなく人体を冷却する技術が大きく改良されています。
ジェームズが無事に復活を遂げるには、未来における高度な解凍・蘇生技術の誕生を待つしかないでしょう。
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参考文献
A California man was the first to be cryogenically frozen. His body still awaits revival.
https://www.sfgate.com/sfhistory/article/california-man-first-to-be-frozen-16770641.php
Evaluation of the Condition of Dr. James H. Bedford After 24 Years of Cryonic Suspension
https://www.cryonicsarchive.org/library/bedford-condition/
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。