通常の稲妻は、雲の内部や、雲と地面の間の1km以上離れた放電によって形成されます。
しかし、雲の中が乱流によって激しく混ざり合うと、正負の領域が1km以内に近づき、短時間かつ非常に強力な電流バーストが発生します。
これがブルーバンと呼ばれる現象で、雲の頂上付近で電場の急激な変化が生じたとき、これがブルージェットの放電を促すと考えられるのです。
ISSの観測でも、5つ目のブルーバンがブルージェットの発生を引き起こしたと報告されています。
つまり、ブルーバンは単なる前兆ではなく、ブルージェットの発生メカニズムにおいて重要な役割を果たす現象なのです。

この観測の結果、ブルージェットは雷雲内で特定の条件が揃ったときにブルーバンが発生し、その結果として上向きの放電が引き起こされることが明らかになりました。
これは、地球の気象現象だけでなく、宇宙空間や他の惑星の大気で起きる現象にも応用できる可能性があります。
まるでゲームの演出のような美しい気象現象、その謎も少しずつ明らかになっているようです。
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参考文献
Genesis of blue lightning into the stratosphere detected from the International Space Station
https://www.esa.int/Science_Exploration/Human_and_Robotic_Exploration/Genesis_of_blue_lightning_into_the_stratosphere_detected_from_the_International_Space_Station
元論文
Observation of the onset of a blue jet into the stratosphere
https://www.nature.com/articles/s41586-020-03122-6