加えて昨季は出場機会が少なかったもののチャンスメイクが売りの頼れるベテランMF阿部浩之とMF山田直輝もチームを離れた。また、2023シーズンの加入から昨季もシーズン中盤まで守護神を務めたGKソン・ボムグンも移籍となっている。一方、新加入選手の中での注目は鹿島アントラーズより加入のMF藤井智也。スピードを活かした突破が魅力で、ゴールに直結する働きが期待される。

昨季シーズンを通して主力を務めた選手の移籍で見ればMF田中聡のみの流出だが、ここぞの場面で決定的な仕事の出来るベテランを失った影響も大きく、それでいて補強も十分とは言えないことから戦力ダウンが心配なクラブ2位とした。


横浜F・マリノス 写真:Getty Images

1位:横浜F・マリノス

主なOUT選手

  • DF上島拓巳(アビスパ福岡へ完全移籍)
  • DF小池龍太(鹿島アントラーズへ完全移籍)
  • DF畠中槙之輔(セレッソ大阪へ完全移籍)
  • DFエドゥアルド(V・ファーレン長崎へ完全移籍)
  • MF水沼宏太(ニューカッスル・ユナイテッド・ジェッツへ完全移籍)
  • FW西村拓真(町田ゼルビアへ完全移籍)

主なIN選手

  • GK朴一圭(サガン鳥栖より完全移籍)
  • DFトーマス・デン(アルビレックス新潟より完全移籍)
  • FW遠野大弥(川崎フロンターレより完全移籍)

2023シーズンのリーグ戦を2位で終え、昨季は王座奪還に向けて元オーストラリア代表のハリー・キューウェル氏を新監督に迎えてスタートを切った横浜F・マリノス。しかし、序盤戦から勝ちきれないゲームが続き6月末からの4連敗を経て7月に監督交代に踏み切るも浮上のきっかけとはならず、最終9位でシーズンを終えた。なんとか一桁順位につけたが、不本意なシーズンとなったことは言うまでもない。

再起を図るべく今冬は戦力アップの見込める補強が期待されたが、現時点では流出した選手が目立つ。特に不安視されるのが守備陣の動き。センターバックでは昨季主軸となっていたDFエドゥアルドやDF上島拓巳に加え、DF畠中槙之輔も他クラブへ移籍となった。サイドバックでも、怪我から戻ってきたDF小池龍太が流出するなど一気に選手層が薄くなった感が否めない。攻撃陣でも、正確無比なクロスでチャンスを作っていたMF水沼宏太や海外挑戦から昨夏復帰したFW西村拓真といった選手たちが移籍。昨季のJ1得点王であるFWアンデルソン・ロペスら前線の強力な外国籍選手たちは健在ながらも、大きな戦力を失ったことは間違いない。