その翌日、この異例の実験は全米の紙面に取り上げられ、そこでベズリー医師がディーリングにある種の賛辞を送っています。

「心電図は彼の堂々とした態度の裏で脈打っていた本当の感情を暴露していました。彼は明らかに死を恐れていたのです。

それでも彼は平静を保ち続けていました」

ディーリングがいくら不幸な境遇に苛まれたとはいえ、当然ながら、罪なき人の命を奪ったことは断じて許されるはずもありません。

しかし極限の恐怖に押し潰されそうになっても、それを表には出さず、冷静な態度を保ち続けた彼の最期には何か目を見張るものがあるのではないでしょうか。

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参考文献

1938: The terrified John Deering
https://www.executedtoday.com/2009/10/31/1938-the-terrified-john-deering/

How 2 Bay Area residents ended up with the eyes of a murderer
https://www.sfgate.com/sfhistory/article/Eyes-of-a-Murderer-How-the-eyes-of-an-executed-13297631.php

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部