しかしながら、単為生殖は母親のクローンを作り続けるわけですから、遺伝的な多様性に乏しく、クローン繁殖を続けていると有害な遺伝子が蓄積してしまうことも指摘されています。

そのため、単為生殖を行う種でも定期的に有性生殖をして、オスの遺伝子を導入することが種の存続にとって重要だと考えられています。

こうした点を踏まえると、オスが完全に不要になる生物種はそう現れないでしょう。

その一方で、ナナフシモドキにおいては単為生殖が過去30万〜50万年間も続いているとされています。

なぜナナフシモドキは単為生殖だけで、問題なく種を繁殖し続けられるのでしょうか?

チームは今後、この問題についても調査を進めていく予定です。

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参考文献

形骸化した性:ナナフシにおいてオスは不要だった!?
https://www.nibb.ac.jp/press/2025/02/05.html

元論文

Lack of successful sexual reproduction suggests the irreversible parthenogenesis in a stick insect
https://doi.org/10.1002/ecy.4522

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部