要するに宝島訴訟の争点は、連帯労組と武委員長が暴力団と関係があるかどうかだった。
さきに、<反社会的勢力>と東京高裁で認定されたと書いたが、そこに至るまで、高裁判決は暴力団とのかかわりについて、地裁判決が認めなかった事実のいくつかを認めた。一つは、京都の暴力団会津小鉄会との関係である。高裁判決はこう述べている。
「確かに、京都の土木建築業界においては、会津小鉄会がこれを仕切り、工事を受注する業者から、受注金額に応じた一定割合の金員を徴収していたことが、山口組幹部の高山清司の刑事事件の審理において前提とされており、1審原告武が京都を含む関西地域の生コンクリート業界を取りまとめる立場にあったことなどからすると、1審原告らと会津小鉄会が親密な関係にあったとしても、不自然とは言えないように思われる」。
さらに、1審では五代目山建組系三代目山建組内樺山総業の樺山典正総長が関生支部事務所、通称生コン会館から「大金を持ち帰っていた」との被告の主張を認めなかったが、高裁判決では被告の主張をこう認めた。
「本件(関生支部の会計担当者S子さんがつけていた)帳簿は1審原告の会計担当者が作成した裏帳簿とされており、他の資料からうかがわれる資金の動きと符合する記載もあるなど、相応の信用性が認められる。本件帳簿は、その性質上、記載に具体性を欠くことはやむを得ないところ、その記載自体からでも、(平成15年1月)30日までに200万円、同月31日100万円がⅠ審原告組合書記長の武洋一の扱いで山口組山建組系樺山組総長の樺山に流れたことがうかがわれる。 ~以下省略~ (2020/1/16結)
最高裁が関西生コン側の上告を棄却したことで高裁判決で確定しています。関西生コンが裁判で反社会的勢力と認められた事は事実と言えます。
大石あきこは相手が暴力団を雇って関西生コンを攻撃してきたとか説明していましたが、むしろ関西生コンが暴力団との関係、資金提供まで指摘されているようです。