■有識者は「これほど理解不能な番組は初めて」

『日本書紀』にも書かれているように、こうした不条理ギャグ作品最大の敵といえば、古来より「PTA」と相場が決まっている。アニメ化に当たり、『ボーボボ』の表現も若干マイルドになったが、やはり腐っても『ボーボボ』。そのハジケぶりは、PTAの穏健派を大激怒させたという。

こちらに関しては「第339回 瀬戸内海放送番組審議会」という非常に興味深い資料がある。

03年12月9日に開催された同会において、アニメ『ボーボボ』という作品に対する評価は以下の通り。

「番組の狙いが何かわからない。ストーリーに脈略もない。大衆メディアとして最も影響力のあるテレビですからもっと文化レベルの高い番組を願う」

「2回見てみた。このナンセンスもののどこが面白いのか全く理解できない。同じ時間帯でまともな作りで高視聴率の番組もある。そういう方向を目指すべき」

「これほど理解不能な番組は初めてだ。要するにストーリーとか風刺とかがなくて単なるギャグでは仮に面白いとしても意味がない。こんな番組が子供達に対してどんな影響を与えるのか心配だ。放送基準の青少年への悪影響という項に触れないか」(いずれも原文ママ)

もはや「批判」という表現では生温いほど、完膚なきまでにボコボコに叩かれてしまっていた。