「女性は男性よりもおしゃべり」というイメージを持つ人は多いかもしれません。

日常生活の中で「女性の方がよく話す」と感じたことがある人もいるでしょう。

しかし、この通説は本当に正しいのでしょうか?

米アリゾナ大学(University of Arizona)の心理学研究チームは、この疑問を解明するために大規模な調査を実施。

その結果、女性は確かに男性よりも1日に約3000語多く話していることが判明しました。

ただし、女性の方がおしゃべりになるのは、ある年齢層に限られていたようです。

研究の詳細は2024年2月に学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載されています。

目次

  • 「女性はおしゃべり」という通説は本当?
  • 女性はある時期に「おしゃべり」になっていた

「女性はおしゃべり」という通説は本当?

「女性は男性よりも話好き」というステレオタイプは、文化を問わず世界で広く信じられています。

例えば、映画やドラマでは、女性キャラクターが男性よりも活発に会話をする場面が多く描かれます。

また「男性は寡黙で、女性は感情を言葉にするのが得意」という考え方も根強く存在しています。

しかしこれまでの研究では、この通説を必ずしも裏付ける証拠は見つかっていません。

2007年には同じアリゾナ大学の研究チームが「男女の発話量には大きな差がない」ことを調査で報告していました(Science, 2007)。

彼らは500人の男女を対象に調査を行い、1日あたりの平均発話数が男女ともに約1万6000語であることを発見し、 男性と女性の間に明確な差は見られなかったのです。

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Credit: canva

ところがこの研究には難点があり、批判も受けていました。

調査対象のほとんどが大学生であり、特定の地域(テキサス州オースティン)に住んでいたため、より幅広い年齢層や地域での再調査が求められていたのです。