実は仙厳園は世界文化遺産だといいましたが、厳密にいうとこの反射炉跡や仙厳園に隣接する尚古集成館、旧鹿児島紡績所技師館のみがその構成施設となっているのです。

集成館の機械工場だった世界遺産・尚古集成館。 大正期から集成館の歴史を伝える博物館となっています。

西洋の技術を日本に伝えるためにやってきた 西洋の技師たちが暮らした世界遺産・旧鹿児島紡績所技師館

最後に仙厳園奥にあるちょっと変わった神社をご紹介しましょう。その名も「猫神社」。

戦国時代、島津義弘が戦地に連れて行った猫を祀った神社とされています。時計などない時代、猫は時間によって黒目の大きさが変わることから時計代わりに猫を連れて行ったのだとされています。今では愛猫家の聖地として猫好きな方がここを参り参拝をしています。

おわりに

今回私はここまでバスで来たのですが、バス停から仙厳園までは車がビュンビュン走る国道10号のトンネルを潜ってきました。一応鹿児島中央駅から仙厳園までのバスがあるにはありますが、本数はとても少なく便利とは言えない状況でした。

世界遺産になったこともあって観光客が急増したことを受け、この度仙厳園の目の前にJR九州が日豊本線内に「仙厳園駅」を開業することとなり急ピッチで工事が進められています。3月15日のダイヤ改正時に当駅がオープンした暁には利便性はかつてないほど高まります。

島津家の華々しい歴史を知ることができるとともに近代日本の産業の黎明を窺い知ることができる仙厳園。みなさんもぜひ一度訪ねてみてください。

編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年2月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。