その手段は具体的には言えないが、極めて堅牢なセキュリティで構築しており、いかなる手段を用いてもネットワーク経由でのアクセスを不可能にしている。自分の人生のすべてをそこに保管しており、今後はそのメンテナンスが終活の一環となるだろう。

身辺整理を済ませて生活

そして終活の2つ目は身辺整理である。筆者は普段からペーパーレスを徹底し、冠婚葬祭で着るスーツをはじめ、あらゆるアイテムをレンタルで済ませてできる限り身軽な状態にしている。家にもほとんど物を持たず、いわゆるミニマリストに該当するだろう。

たまに聞く話が、家族が亡くなった後に大量の思い出の品やゴミが出て、遺族がその対応に追われるというものである。

実際、筆者は数年前に父を亡くしているが、その際も遺物の整理にかなり骨を折った。父が大事にしていたものも少なくなかったので、取捨選択が特に大変だった。自分の時は遺族にそうした苦労をさせないよう、できる限りものを所有しないようにしている。

終活をして良かった3つのこと

本格的に終活をして良かったと思える点がいくつかある。

1つ目はこれからの人生を改めて考え直すことができたことだ。「まだまだずっと、これからも人生は続いていく」とまるで永遠に生きるように考えると、誰しも気乗りしないことなどはつい先送りにしてしまいがちだ。

だが、一度、しっかりと終活と向き合うことで「ああ、誰にとっても人生は本当にいつ終わるかわからないのだな」と心から実感するため、やりたいと思っているあらゆる経験はできる限り前倒しにして、ドンドン終わらせようと考えるようになる。

「時期が悪いからまた今度」などとは思わない。今やるか?それとも二度とやらないか?くらいに考えて何でも今すぐ手を付けるようにしている。

2つ目は死後の世界を考えるようになったことだ。自分が独身だった頃は「亡くなった後の世界のことはどうなっても知らない」と思っていた時期があった。