この効果は参加者たちの元々の問題解決能力の違いによるものではありません。

というのも休憩前の解答率は両グループで同程度だったからです。

加えて、両グループにはソース問題の解答を記憶する能力に差は見られませんでした。

しかし一方で、昼寝をした参加者はソース問題とターゲット問題の「構造的な類似性」をより正確に認識できるようになっていたのです。

つまり昼寝を取ることで、単なる記憶力の向上ではなく、「異なる問題の共通点を見つける創造的な力」が強化されていたと考えられます。

問題に行き詰まったら「仮眠」がおすすめ

今回の研究により、「昼寝が創造的な問題解決を助ける可能性がある」ことが示されました。

答えが見えない問題に直面することは仕事でもプライベートでも多々あると思います。

そんな時はいつまでも頭を悩ませるのではなく、一度思い切って仮眠をとってみるといいかもしれません。

次にあなたが目覚めたとき、「なんだ、そんな簡単なことだったのか」と意外な解決策や驚きのアイデアが浮かんでいるかもしれません。

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参考文献

A short nap boosts problem-solving by strengthening hidden connections
https://www.psypost.org/a-short-nap-boosts-problem-solving-by-strengthening-hidden-connections/

元論文

An afternoon nap facilitates analogical transfer in creative problem solving
https://doi.org/10.1111/jsr.14419

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部