こうした流星体が地上に到達し、被害を引き起こすことは極めて稀ですが、歴史的にはいくつかの事例が報告されています。

最も有名なケースのひとつが、1954年にアメリカ・アラバマ州に落ちた「ホッジス隕石」です。

この隕石は住宅の屋根を突き破り、室内に落下したと伝えられています。

このとき室内には人がおり、ソファで昼寝をしていた女性のそばに隕石が落ちたため、彼女は破片の衝撃で負傷したといいますが、命に別状はありませんでした。

これは、流星体が人に物理的な影響を与えた極めて稀な例として記録されています。

今回のカナダでの報告は、被害を伴うものではありませんが、防犯カメラによって流星体の落下が記録された点で大きな科学的意義を持ちます。

今はどこにでもカメラがあります。今後も防犯カメラや監視カメラ、スマートフォンに科学的に貴重な映像が記録され、私たちも見ることができる機会がどんどん増えていくかもしれません。

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参考文献

The Meteoritical Society
https://www.lpi.usra.edu/meteor/metbull.php?code=84378

A Meteorite Is Caught on Camera as It Crashes Outside a Front Door
https://www.nytimes.com/2025/01/16/science/meteorite-debris-security-camera-canada.html

ライター

相川 葵: 工学出身のライター。歴史やSF作品と絡めた科学の話が好き。イメージしやすい科学の解説をしていくことを目指す。

編集者

ナゾロジー 編集部