この衝突の瞬間には氷が割れるような特徴的な音も記録されていました。
この映像は、流星体が地表に衝突する瞬間を記録した非常に珍しい事例として、科学界で注目されています。
またちょうどこの時期、アルバータ大学のクリス・ハード教授がこの島に観光に訪れていたそうで、破片がすぐに採取・分析され、この隕石はH5普通コンドライトに分類されると判明しました。
H5普通コンドライトというのは、主に鉄とニッケルから成る一般的な隕石のことで、数字の部分は金属粒子の熱変性の段階を指しますが、5は一般的なもので構造的に安定していることを指します。
これはよく見られるタイプの隕石で、その起源は火星と木星の間の小惑星帯だと考えられています。
隕石は粉々でしたが、粉塵を集めた結果、地上に到達した破片の質量は約95グラムだったと推定されています。
とはいえ衝突時の速度は時速200キロメートル近かったと推定されるため、もし人の近くに落下していれば大きな被害をもたらした恐れがあります。
ヴェレイダムさんは散歩中だったというので、もし出発の時間や帰宅の時間がズレていたら玄関先で隕石に衝突する不幸もあり得たかもしれません。
そう考えると非常に恐ろしい出来事です。
実際人にぶつかったという報告も過去には存在しています。
過去の流星衝突事故と今回の報告の意義
このような流星体は、宇宙空間を漂う微小な天体が地球の大気圏に突入することで発生する現象です。
大気圏に突入すると、大気との摩擦による加熱で発光し、これが「流れ星」として観測されます。
過去の研究によると、大気圏突入の摩擦熱によって流星体は質量の99%以上を失うことが多いとされています。そのため今回報告された流星体も、もともとは数十キログラムはあったと考えられます。
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