一方で、GK陣はやや不安が残る。昨季9試合に出場した伊藤元太はチームに残ったものの、27試合と最も出場機会の多かったセランテスがFC岐阜へ移籍。同じく出場のあった小澤章人もチームを離れた。彼らに代わる新たな守護神候補として、昨季いわきFCで36試合に出場した立川小太郎やJ1とJ2のクラブを渡り歩いてきた高木和徹を獲得。頼もしい新戦力を加えたことは間違いないが、初めて上のカテゴリーへと進んだチームの状況を考慮すると守備の要が代わることは懸念材料にもなり得る。

GK、DFラインともに直近のシーズンJ2クラブで主力を務めた選手の加入は頼もしく、ポジション争いの質も高くなることで底上げにも期待ができる。初のJ2カテゴリーで守護神変更にやや不安な面はあるが、効果的な補強が叶ったことから評価を「B」とした。

梶浦勇輝(FC東京所属時) 写真:Getty Images

MF(ミッドフィールダー):評価C

IN

  • 笹修大(札幌大谷高校より加入)
  • 持井響太(アスルクラロ沼津より完全移籍)
  • 梶浦勇輝(FC東京より期限付き移籍)
  • ヴィニシウス・ディニス(オペラリオ・フェロヴィアリオECより期限付き移籍)

OUT

  • 楠美圭史(SHIBUYA CITY FCへ加入)
  • トーマス・モスキオン(契約満了)
  • 土肥航大(期限付き移籍期間満了に伴い退団)

中盤は一部主力の流出が発生した。昨季29試合に出場して中盤を支え、J2昇格にも大きく貢献したトーマス・モスキオンが契約満了。小柄ながらも高いボール奪取力が光り、攻撃の芽を摘む役割を果たしていた選手の流出により今季守備面には大きな不安が残る。

対して攻撃面では楽しみな選手が複数加った。J3のアスルクラロ沼津から加入の持井響太と直近2シーズンはツエーゲン金沢でプレーしていた梶浦勇輝の2名は、いずれもゴールやアシストといった決定的な仕事の出来る存在。昨季の数字で見ても、持井は5ゴール2アシスト。梶浦も8ゴール6アシストとJ3においては大いに存在感を放っていた。もちろん、J2へとカテゴリーが上がることで活躍の難易度は上がるが、新たな攻撃のピースを手に入れたことに違いはないと言えよう。