ただ動かす物体とその速度には基本的に2パターンが存在します。
1つは大質量を比較的低速で動かすもの、そしてもう1つは小さな質量を高速で動かす場合です。
1:大型・低速運動タイプ
このタイプは大きく重い質量を、比較的ゆっくり動かすことで重力波を生み出そうとするアプローチです。回転や振動の周波数は低め(Hz〜kHz、あるいはそれ以下)で、装置自体が大型化しやすいのが特徴です。
電波を使った通信機に例えるならば、1つの工場ほどもある巨大な大規模通信施設と言えます。

たとえば一番上の回転棒(Rotating Rod/Bar)棒を使う場合では、ものすごいスピードで大質量の柱を回転させることで質量分布の「揺らぎ」となり、重力波を出すことを目指します。
他にも大質量の物体の回転では500トンもの大きな鋼鉄ビームを回転させ、それによる質量の四重極モーメント変化から重力波を発生させるアイデアも提示されています。
2:小型・高速運動タイプ
こちらは、質量自体は小さいものの、それを極端に高速で動かす(あるいは密度変調を高周波で行う)ことで、より高い周波数の重力波を狙う手法です。
電波を用いた通信機で言えば、個人用の小型無線機に該当すると言えます。
小型・高速運動タイプは装置が小型化する可能性もありますが、加速度のコントロールやエネルギー投入の効率が大問題になるなどの課題もあります。
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一番上の圧電効果(結晶に電場をかけると振動を起こす現象)を利用する方法では、結晶の機械振動を高周波で発生させます。