では25%もの関税がかかればカナダやメキシコのビジネスはどれほど打撃を受けるかですが、これはタイムラグの問題で発動される2月4日から突然世の中の色が変わるわけではありません。今回の事態を予想して多くのアメリカとカナダの会社は貿易を急いでいました。私の知るあるカナダの木材系の貿易会社はアメリカ向け輸出がこのところ急増、在庫を全部アメリカ向けに仕向けるぐらいの勢いでしたが唯一のボトルネックが輸送に使うトラックが払底したことだと述べていました。それぐらい各社自己防衛をしていたということです。

タイムラグは商品により1-3か月とみており、アメリカ国内の値上げが次々発表になり、消費者がそれにどう反応するかですが、購入の手が止まればアメリカの旺盛な消費とそれに伴う経済状況には影響が出るでしょう。一方、トランプ氏の目指す国内産業の勃興は今日や明日にできるものではなく、何年もかかるのだとみています。トランプ1.0の時も関税バトルは1年で終結しているので、最終的には元に戻るであろうと希望的観測を持っています。

カナダでは自動車など一部の産業に厳しい影響が出るとされ、まずは感情的な反感が先行しそうです。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年2月3日の記事より転載させていただきました。