「大統領といえどもたった一人で世界を震撼させる関税を導入できるのか、誰も止めることができないのか」という質問に対して大統領報道官は「できない。ただし、大統領は撤廃することはできる」と述べています。トランプ氏自身「カナダ メキシコ向け25%関税は最終的に10%程度まで下げることになるだろう」と述べています。それがいつなのかなどは具体的に示されていませんが、少なくとも2-3か月は様子を見るのではないかという気がします。トランプ氏が選挙公約だった関税計画がとりあえず全て実行され、最高潮になったところで二国間の交渉を踏まえ、少しずつ下げていく、そういう手段を取るのではないかとみています。トランプ氏は「俺は公約は守った。そして条件交渉で勝ち取った。アメリカの勝利だ」とXあたりで述べるのでしょう。
ではカナダやメキシコはどう対応するのでしょうか?カナダのトルドー首相は早々に25%の報復関税を発表しました。また関税以外にも厳しい制裁を科す計画もあり、州ごとの計画もあります。BC州はアメリカの共和党政権州からの酒類の輸入を禁じると発表し、すでにカナダ6州がアメリカのアルコール販売の制限を発表しています。カナダは3月に首相選挙が行われるのですが、最有力候補であるフリーランド元副首相がアメリカのビールやワインからテスラ車まで100%関税をほのめかしています。基本的に「目には目を…」的な強硬な姿勢です。
メキシコも大統領が既に経済閣僚に報復を支持しており、アメリカからの輸入品目に対して5-20%の税金を課すとされています。またトルドー首相はメキシコのシェインバウム大統領と歩調を合わせるために会談をすると発表しています。既に脅されているEUは現時点では硬軟使い分けの姿勢ですが、仮に特定関税が付されれば相当の「…歯には歯を」が行われるとみています。
私が見る関税脅迫されている諸外国の姿勢は交渉を継続しながらも戦う姿勢であり、関税男と徹底抗戦しようとしているように見えます。中国はトランプ1.0の時のような正面から戦う姿勢というよりとWTOへの提訴をしながら対話をするという冷静な動きを示してます。