正直びっくりです。埼玉県八潮市の交差点の穴に落ちたトラック、それを救い出すどころか、トラックはどんどん穴に埋まっていき陥没の穴は広がり続けるのです。道路陥没事故は時折ニュースで拝見しますが、こんなケースはたぶん初めてではないでしょうか?原因は下水管が腐食し、そこから漏れた汚水はたまたま地盤が緩い地域故に土砂の流失が起こり、広い範囲で地盤が崩れたとされます。また破損の原因は下水に含まれる有機物が腐食して硫化水素が発生し、それが硫酸となり下水管にダメージを与えたとされます。

事故現場のようす NHKより
この分析通りなら同様の地盤沈下はいつでもどこでも起こりうることになります。微弱でも頻発する地震がインフラにダメージを少しずつ与えることもあるかもしれません。インフラというのは厳しい自然状況にさらされており、温度差を含め思った以上の劣化を招くことはあるかと思います。私の会社で所有するマリーナには上水道と船の中のタンクの汚水を吸い上げる一種の下水が完備されているのですが、水漏れ、管の破損は年中発生しており、従業員はいつもその修理に追われています。マリーナの場合、温度差と海水によるダメージがあり、開発後25年経った今、カネがかかるインフラの全面やり替えも視野に入れざるを得ないのです。
世界どこを見ても役所の財源は十分ではなく、インフラの整備と点検は追い付かないのが現状だと思います。いわゆる下水の近代的整備が始まったのはこの6-70年であり、1回目の寿命が来ている場所も相当あります。日経によると下水管で耐用年数の50年を超えたものが3万キロあり、10年後には9万キロにもなるとのこと。それらは全て交換していく必要があり、とてもじゃないですが追い付けるとは思えないのです。以前、橋が老朽化して落ちたり、渡れない橋ができた報道もありました。折しも国会では予算の審議をするわけですが、日本の将来の予算構成はずいぶん変わっていくのかもしれません。
野中郁次郎氏、逝く