ここで、カニミソについてもう少し詳しく考えてみましょう。
私たちがカニミソを食べる時、実はそこにカニの中腸腺以外のものが含まれているケースがあります。
それが中腸腺近くにある「精巣」や「卵巣」です。
オスの場合、中腸線近くには白い粒が帯状になった精巣(または白子)があり、濃厚な味わいを楽しめます。
「カニミソ」として提供される場合、中腸線に精巣が含まれることが少なくありません。
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またメスの場合は、甲羅の中に、鮮やかなオレンジ色をした「卵巣(または内子)」があります。
こちらも珍味であり、人によって好き嫌いが分かれますが、こちらも濃厚でクリーミーな味わいを楽しむことができます。
加えてメスでは、茶色い粒々の「カニの卵(外子)」が入っている場合もあります。
魚卵のようなプチプチとした食感ですが、味はほとんどありません。
カニミソと内子・外子は、はっきりと区別できますが、調理の際に混ぜたり、そのまま一緒に啜って食べたりすることも多いでしょう。
カニミソの正体は、カニの肝臓や膵臓にあたる部分でした。
精巣や卵巣と共に食べることもあり、これがカニミソをいっそう深い味わいにしています。
次にカニを食べる時には、旨味エキスを含んだカニの身と、生命力を凝縮したようなカニミソを、もっと楽しめることでしょう。
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参考文献
Crab Innards
https://www.seriouseats.com/the-nasty-bits-crab-innards
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部