その一方で痛手なのは、ここにきてDF大畑歩夢がベルギーのOHルーヴェンへと移籍してしまったこと。昨季はパリ五輪本大会メンバー入りも果たし、クラブでも特に後半戦は左サイドバックとして確固たる地位を確立していただけに、新たな挑戦が喜ばしい反面浦和でのさらなる活躍を楽しみにしていたファンやサポーターにとっては残念な流出となった。
頼もしい選手の帰還に新たな外国籍選手の獲得があったものの、昨季の新戦力と成長著しい若手が移籍となった今冬の浦和。戦力の増減という意味ではほぼ横ばいと言えようことから評価を「C」とした。

MF(ミッドフィールダー):評価A
IN
- 柴戸海(町田ゼルビアへの期限付き移籍より復帰)
- 松本泰志(サンフレッチェ広島より完全移籍)
- マテウス・サヴィオ(柏レイソルより完全移籍)
- 金子拓郎(KVコルトレイクより完全移籍)
- 早川隼平(ファジアーノ岡山への期限付き移籍より復帰)
OUT
- 宇賀神友弥(引退)
- エカニット・パンヤ(愛媛FCへ期限付き移籍)※昨季はムアントン・ユナイテッドより期限付きで加入
- 武田英寿(ベガルタ仙台へ完全移籍)
- 堀内陽太(栃木SCへ期限付き移籍)
- 小泉佳穂(柏レイソルへ完全移籍)
中盤の新戦力は、どのJクラブのそれと比較しても豪華な顔ぶれとなった。最も注目すべきなのは、柏レイソルから加入のマテウス・サヴィオの存在。前線でのキープ力や豊富なアイデア、ドリブルでの突破力に献身的なプレスと攻守にわたって柏を支え続けたJ屈指の外国籍選手の獲得に成功した。また、サンフレッチェ広島より加入の松本泰志も攻撃にアクセントをつけられる選手。昨季は36試合と出場機会を増やして3ゴール2アシストと結果も残しており、広範囲に顔を出せる運動量からサヴィオと同様新たな攻撃のキーマンとして期待される。さらに、サイドの突破が魅力な金子拓郎も獲得。2023シーズンには移籍する夏までに北海道コンサドーレ札幌で21試合出場8ゴールをマークしており、得点源としても注目だ。期限付き移籍から復帰の柴戸海と早川隼平の2名も、武者修行先で出場機会を掴み経験を積んでおり戦力として申し分なく、新加入選手たちと同様に大きな期待を寄せるに値すると言えよう。