一方のBYDは、台湾の鴻海精密工業社が、日産の買収に意欲を示していた事から類推すると上記の②を中心に進める感がある。すると、テスラ・トヨタ陣営 vs BYD・ホンダ日産陣営で他メーカーも巻き込んで自動運転世界大戦の図式になる事も大いに在り得よう。

ただ、その深化具合によっては、テスラ・トヨタが中国市場をほぼ放棄する事となる。この辺はトランプが目論む、プーチンとの実質「中露同盟」+αでBRICSに楔を入れて分断し拡大中国包囲網で習近平に戦わずして白旗を揚げさせる大戦略の進展にも大いに左右されるだろう。

さて筆者は、ここまでEVのオワコン化を前提に述べて来た。バッテリーが現在リチウムイオン電池等から研究開発過程にある全個体電池に置き換われば、充電時間や発火炎上等の事故率の問題は解消されて行くだろう。だが、そもそもCO2による地球温暖化原因説の眉唾度が上がっているため、EVの必然性自体が霧消して行く方向だ。

もし次にEVブームが来るとすれば、化石燃料枯渇リスク顕在化のタイミングとなるだろうが、少なくともこの先数十年は在り得ないのではないか。

マスクのテスラ社、また中国他各国メーカーも自動運転と共に人型AIロボットの開発にも注力しており、自動運転技術はロボットの歩行制御にも応用されるだろう。家庭内にも入って働くロボットには流石に内燃機関で動く事にはそぐわずバッテリーで動くのでEVはロボットに姿を変えると見る事も出来ようか。

そのマスクは、火星移住計画と共に、最近ではAI投資問題でトランプ政権内に波風を立て、予てから「自身のニューラリンク社で将来は健康人の脳に電極を埋め込んで外部AIと直結させないとAIの人類支配、失業問題に対抗出来ない」旨述べる等、天才故の破天荒さが目立つ。

もしテスラのHV自動運転車が席巻した時には、購入時に火星行チケットとニューラリンク手術の予約券が抽選により(キャンセル不可)で付いて来るかも知れない。