DMNは、特に散歩や入浴といったリラックスした時間に活発になります。

このとき、不要な情報や関連性の低いアイデアの結びつきを制限する役割を果たす前頭前野の制約が緩み、普段は抑えられている情報同士が結びつきやすくなります。

その結果、意外な視点や新たな発想が生まれる仕組みが整うのです。

さらに、DMNは「マインドワンダリング」と呼ばれる状態に入ると特に活性化します。

これは、脳が特定の目標や外部刺激に集中していないときに意識が自由に移動する状態で、記憶や経験を統合し、普段は関連性がないとされる情報同士を結びつける役割を果たします。

単純作業中に過去の出来事や未来の計画がふと頭をよぎるのは、マインドワンダリングの典型的な例です。

つまり、DMNは新しい洞察やアイデアを生み出す土台を作り、日常生活でのひらめきや創造性を支えているのです。

ひらめきを生む「ぼーっとする時間」の活用法

脳が「ぼーっとしている」状態は、ただ怠けているわけではなく、ひらめきや創造性を生むための重要な時間であることがわかりました。

実際の研究でも、ぼーっとしている状態が創造性を支える裏付けとなる結果が示されています。

したがって、この時間をうまく活用することで、日常生活や仕事の中で新しいアイデアを得やすくすることができます。

日常に瞑想を取り入れることでアイデアがひらめくかも
日常に瞑想を取り入れることでアイデアがひらめくかも / Credit:Canva

散歩や入浴、瞑想など、心を落ち着ける時間を意識的に設けることは、デフォルトモードネットワーク(Default Mode Network, DMN)を活性化させるために非常に効果的です。

実際、多くの起業家や成功者が瞑想を取り入れています。

Appleの創業者スティーブ・ジョブズは、瞑想を通じて内省し、新しいアイデアを見つける時間を大切にしていました。

また、Googleなどの企業では、従業員向けにマインドフルネスや瞑想のプログラムを提供しており、これが創造性や問題解決能力の向上に寄与しているとされています。