施設内は主に7つのエリアに分けられており、「熱帯雨林」「珊瑚礁のある海」「マングローブ湿地」「サバンナ草原」「砂漠」の5つの自然区と、「農業」および「居住空間」という2つの人為的エリアが設けられました。
バイオスフィア2の地下基盤はコンクリートで作られており、各エリアの天候をコントロールするための大規模インフラが装備されています。
飲み水を得るための水循環システムや冷暖房、電力供給源も完備し、施設の外観をガラス製のパネルにすることで太陽光が十分に入るようにしました。
ここに延べ3800種の動植物が持ち込まれ、見事に地球そっくりの生態系を創り出しています。
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ミニアースの創造が終われば、いよいよ本題です。
バイオスフィア2の真の目的である「地球環境を模した閉鎖空間で人間は生きられるのか?」を実験することになりました。
この前代未聞の実験に選ばれたのは男女4名ずつ、合計8名のアメリカ人たちです。
彼らの職業は科学者や医師、エンジニアであり、食糧生産や機械のメンテナンスまで全て自力で行うよう指示されました。
そして彼らは”バイオスフィアに生きる人類”として「バイオスフィリアン(biospherians)」と名付けられています。
こうして8名のクルーによるサバイバル生活は1991年9月26日に開始されました。
さて、ミニアースでの生活はどうなったのでしょうか?
順調に見えた生活が一転!「世界」が崩壊し始めた
バイオスフィア2では、バナナやパパイヤ、サツマイモ、ビート、ピーナッツ、豆類のほか、米や小麦の作物を含む総食料の83%を農業で供給しました。
また家畜として、ヤギのメス4頭とオス1頭、めんどり35羽とおんどり3羽、メス豚2頭にオス豚1頭が持ち込まれています。
バイオスフィリアンたちは作物を栽培したり、家畜からミルクをしぼったり、卵を得たり、つがいを繁殖させて食糧を生産しました。